2011年02月21日

ウォールナットと亜麻仁油

「ウォールナットを使い、亜麻仁油で仕上げました」と書けば泣く子も黙る黄金コンビ、さして良く判らなくても「はは~」とマニアがひれ伏すというくらいのもんだ(そうか?) そんなに亜麻仁油が凄いのだろうか? 「亜麻仁油を刷り込み手で擦り時間をかけて飴色の皮膜を作る。超高級ライフルストックなどはオイル仕上げである。」 

 ワシは単に「その高級なウォールナットが素晴らしいだけじゃん」なんて思う。 ウォールナットと言ってもピンキリだからワシが通販で買うようなウォールナットは安い端材だ。 ローズ系や黒檀、紫檀類を使ってグリップを何個も作ってきたがいまだにウォールナットはよく判らない。 板で見る状態から完成後のイメージが湧かないのだ。 木目の感じは完成後の出たとこ勝負といった感じだ。

 ウォールナットといっても部位などによって全く木目が違うし、色も違う。 白っぽい物や茶褐色、グレーっぽい物など様々だ。 マルシンやCAWがよくウォールナットを使用しているが木目もまちまち、綺麗に木目が入っている物は多くはない。 CAW51に付いてきたグリップはなんだか真っ黒、オイル仕上げだと思うがとてもカッコイイとは思えない。 

 試しに製作途中でホッタラカシのウォールナットグリップを実験台にしてみた。 木目の状態がイマイチでオイル仕上げにしてもパッとしないだろう事は想像が付く。

ウォールナットと亜麻仁油

そして左側を亜麻仁油 右側を着色ステインで色を着けてみた。

ウォールナットと亜麻仁油

綺麗に研磨もしてないがどう見てもステインの方がマシに見える。


 オイル仕上げはかなり色が白っぽく明るい感じの方が映えるようだ。 茶褐色やグレーっぽい感じの木はこんなように黒っぽくなってしまう。 これではCAW51のグリップのようだ。 綺麗に研磨してオイルをなるべく薄く塗ったら少しは良くなるとは思う。


 参考に過去に作ったスマイソングリップ。 これは偶然にも自分好みの色が出た。程よい褐色、木目の感じがすきなのだがたまたま良い木に恵まれたんだろう。 ウォールナットは難しい。
 ウォールナットと亜麻仁油



Posted by ガンスミス at 13:58│Comments(10)
この記事へのコメント
はじめまして。
いやぁ、素晴らしい出来栄えに溜め息です。
ふふふ。ルガーカービンの木目とチェッカーにスマイソンのグリップ。実銃に付けても、本体が霞んでしまいますね。


そういえば、月刊Gun誌くろがねゆうさんの記事にアマニ油の話が有りましたね。
Posted by CATS at 2011年02月21日 15:41
私は良いウォールナットのグリップ(材料)に当たった事無いので、正直好きな材料じゃありません・・・
ピンキリなのでしょうけど、目は詰まってなくて木目ものっぺりしてるし、軟らかくてチェッカリングしても目が潰れちゃうし、市販のガバグリップもウォールナットのは安っぽくてまるでバルサ材みたい(;´Д`)
良いウォールナットって少ないんでしょうね、きっと。
Posted by あじゃ at 2011年02月21日 17:09
CATSさん、 GUN誌で亜麻仁油の事を知ったファンは多いでしょうね。 もはやガンマニアに亜麻仁油という言葉は神格化されてます^^ 痛んだサラダ油みたいな匂いです^^

あじゃさん 昔コンバットに載ってたフレンチ・ウォールナットの素晴らしさにはたまげました。 超高級ライフルストックでとんでもない値段です。 ワシらが使うウォールナットは普段、黒檀、紫檀類を使ってる人ならバルサ並の軟らかさに思えます。 チェッカーも毛羽立ちが多くて彫りづらいですね。 特にオートにはあんまり似合わない気がします。 ローズ系使えば外れが無いもんね。 
Posted by ガンスミス at 2011年02月22日 23:40
こういうお話、大好きです。
実は僕もオイル仕上げの色、質感がちょっと苦手です。
CAWのエンフィールド用は発売された嬉しさで2種類買ってしまいましたが色があまり好きではないんです。
まさしく比較写真のような感じ。

いや、しかしスマイソンのグリップ素晴らし過ぎです。…欲しい(笑)!
Posted by およよ at 2011年02月25日 22:53
およよさん、CAWのグリップは総じて色が黒っぽいですね。 材質の問題だと思います。 ウォールナットとうたっているマルシンの物は中々綺麗な物もありますよ。 ワシが買ったMAXI8ライフルのストックは良い木目でしたよ。 まあでも当たり外れは大きいですが。 現物を見て買うのが一番ですがそうもいかないしね。 
Posted by ガンスミス at 2011年02月27日 21:11
ガンスミス様、是非木製グリップを製作依頼したいのですがお受けしていただけますか?
Posted by 布施 貢市 at 2011年03月21日 08:52
布施さま こんにちは。 貧乏暇無しで御依頼を受けられるか自信がありません^^ でも一応、どんなグリップがご希望だったのでしょうか?
Posted by ガンスミス at 2011年03月21日 10:37
こんにちはガンスミス様
希望のグリップですが、ハドソンモーゼルM1930用なのですが、
いかがなものでしょうか?
Posted by 布施 貢市 at 2011年03月21日 14:51
はじめまして。
材質に関する考察は大変勉強になりました。

ウォルナットと亜麻仁油に関してはまさにおっしゃる通りです。

ウチにくる製作依頼も、99%「ウォルナットで」と指定がきます。
そこで、「なぜウォルナットなんですか?」と聞くと、殆どの方は
答えに窮されます。
良い材は他にも沢山あるんですけどね。

亜麻仁油も年単位で育てる覚悟が無いと難しいですね。
最近の塗料の進歩は目を見張るものがありますし、無理に
亜麻仁油を使う必要もないかと。
Posted by wildeywildey at 2011年04月26日 20:28
wildeyさん、こんばんは。 ガンマニアの間ではとりあえず「ウォールナットに亜麻仁油」と言っとけば格好が付きます^^ これは月刊GUNの影響もあるかも知れません。 相当前の刊ですが多分1982~1983のGUN誌でグリップの話しを掲載してるのですがそこのウォールナットの説明でいかにウォールナットのオイル仕上げが高級かを説明しています。 まあたしかに超高級ライフルの銃床はとんでもなく高級ですから。 ワシらが手にするウォールナットとは違うからねえ・・・
Posted by ガンスミス at 2011年04月27日 02:12
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